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2026年02月04日
【理学療法士の解説】後頭下筋群の解剖と自律神経|頭痛・めまい・不眠の隠れた原因「首の詰まり」を紐解く
頭痛だけでなく、原因不明のダルさや不眠に悩んでいませんか?
「頭が重苦しい頭痛が続いている」
「病院でMRIを撮っても異常はないと言われた」
「なぜか不安感が消えない、夜ぐっすり眠れない」
もしあなたがこのような不調を抱えているなら、それは単なる「疲れ」や「ストレス」という言葉だけで片付けてはいけないサインかもしれません。

首の痛みや肩こりと同時に、めまい、眼精疲労、あるいは胃腸の不調や動悸といった「自律神経の乱れ」を感じていませんか?
実は、その不調の震源地は、首の骨と頭の骨をつなぐ深層の筋肉、「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」にある可能性が非常に高いのです。今回は、解剖学的な視点から、なぜ「首の上が固まると自律神経が乱れるのか」を紐解いていきます。
Contents
解剖学で見る「後頭下筋群」の正体
まずは、問題の核心である「後頭下筋群」について、少し専門的なお話をしましょう。ここは単に頭を支えているだけの筋肉ではありません。
脳へ情報を送る「高感度センサー」
後頭下筋群は、頭蓋骨の底と、首の1番目・2番目の骨(上部頸椎)をつなぐ、以下の4つの小さな筋肉の総称です。

・大後頭直筋(だいこうとうちょくきん)
・小後頭直筋(しょうこうとうちょくきん)
・上頭斜筋(じょうとうしゃきん)
・下頭斜筋(かとうしゃきん)
これらの筋肉の最大の特徴は、筋肉の伸び縮みを感知するセンサーである「筋紡錘(きんぼうすい)」の密度が、体の中で圧倒的に高いことです。
例えば、親指を動かす筋肉も繊細な動きが必要なためセンサーが多いのですが、後頭下筋群はその数倍から数十倍もの密度があると言われています。
つまり、ここは「姿勢制御の司令塔」なのです。目や耳からの情報と連動して、「今、頭がどの位置にあるか」を瞬時に脳へ伝えています。ここが固まって機能不全を起こすと、脳は平衡感覚を正しく認識できなくなり、それが「めまい」や「フワフワする感覚」につながります。
脳脊髄液に影響する「硬膜」との連結
さらに近年の解剖学的研究で注目されているのが、「Myodural Bridge(マイオデュラルブリッジ)」という構造です。
これは、後頭下筋群の一つである「小後頭直筋」などが、脊髄を包んでいる膜である「硬膜(こうまく)」と繊維レベルで直接つながっているという事実です。

硬膜の中には、脳と脊髄を栄養し保護する「脳脊髄液」が流れています。
首の付け根がガチガチに固まると、この連結部分を介して硬膜が物理的に引っ張られ、脳脊髄液の循環が悪くなったり、硬膜自体が刺激されて強烈な頭痛を引き起こしたりすることがわかっています。これが、マッサージだけではなかなか取れない頑固な頭痛の正体の一つです。
また、首の筋肉が固まる原因の一つに、土台である「背中(胸椎)」の硬さも大きく関わっています。
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核心:なぜ「首のこり」が「自律神経」を乱すのか
ここからが本題です。なぜ首の筋肉の問題が、不安感や内臓の不調といった「自律神経症状」に波及するのでしょうか。
答えは、頭蓋底から上部頸椎エリアの「神経の配置」にあります。このエリアは、自律神経の重要な中継地点なのです。
副交感神経の要「迷走神経」への影響
脳から直接出ている神経の中に「迷走神経(めいそうしんけい)」というものがあります。これは内臓の働きをコントロールし、体をリラックスさせる「副交感神経」の繊維を多く含んでいます。

迷走神経は、頭蓋骨の穴(静脈孔)を出た直後、首の前側、ちょうど後頭下筋群の前方を通過します。
後頭下筋群が過緊張を起こし、首の骨(頸椎)の並びや動きが悪くなると、この周辺組織が鬱血したり、微細な絞扼(締め付け)が起きたりすることがあります。その結果、迷走神経の機能が低下し、リラックススイッチが入らなくなります。
・胃腸の働きが悪くなる(吐き気、胃もたれ)
・呼吸が浅くなる
・寝付きが悪くなる
これらは、迷走神経の機能低下による典型的なサインです。
交感神経の親玉「上頚神経節」への刺激
一方で、首の上部(第2〜3頸椎レベルの前方)には、「上頚神経節(じょうけいしんけいせつ)」という交感神経の大きな塊が存在します。

後頭下筋群の緊張は、関連痛として目の奥の痛みを出しますが、同時にこの交感神経節を持続的に刺激してしまう可能性があります。
交感神経は「闘争と逃走の神経」です。ここが常に刺激されると、身体は24時間「戦闘モード」になります。
・常にイライラする
・理由のない不安感やパニック
・光や音がうるさく感じる(感覚過敏)
・手足の冷えや発汗
首の後ろが詰まることで、アクセル(交感神経)は踏みっぱなし、ブレーキ(副交感神経)は効かない、という状態に陥ってしまうのです。
特に冬場や季節の変わり目は、こうした神経の過敏さが「古傷の痛み」や不調として現れやすくなります。

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ブーストケアでの解決策とアプローチ
このように、後頭下筋群の固さは単なる「コリ」ではなく、神経系への物理的なストレス源となっています。
しかし、だからといって「強い力で揉みほぐせばいい」というわけではありません。
繊細なアプローチの必要性
このエリアは非常にセンサーが敏感なため、グイグイと強く押すようなマッサージを受けると、身体は「攻撃された」と判断し、防御反射で余計に筋肉を硬くしてしまいます。これでは逆効果となり、さらに自律神経を興奮させてしまいかねません。
ブーストケアでは、以下のようなアプローチを重視しています。
・指先数ミリ単位の繊細なタッチで、深層筋の緊張を解除する
・頭蓋骨と第1頸椎、第2頸椎のわずかなズレを修正し、神経の通り道を確保する
・呼吸に合わせた穏やかな操作で、副交感神経を優位にする

「やられた感」のある強い刺激ではなく、脳が安心して力を抜けるような施術こそが、このエリアには必要なのです。
今すぐできる「眼球運動」セルフケア
後頭下筋群は目の動きと連動しています。パソコン作業の合間に、以下のケアを試してみてください。

1.後頭部のくぼみ(髪の生え際あたり)に親指を軽く当てます。
2.頭は動かさず、目だけを「右」「左」とゆっくり動かします。
3.親指の下で、筋肉がピクピク動くのを感じてください。
4.これを1分間行うだけで、直接触らなくても筋肉の血流が改善します。
まとめ:構造を整えれば、心と神経は落ち着く
「原因不明」と言われる不調にも、必ず身体的な理由があります。
後頭下筋群という小さな筋肉の緊張が、硬膜や自律神経を介して、あなたの全身の不調を作り出しているかもしれません。
まずは、その首の「物理的なストレス」を取り除いてみませんか?
構造が整えば、機能は自然と回復に向かいます。あなたの身体が本来持っている「治る力」を、最大限に引き出すお手伝いをさせてください。
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